子育ての専門家である保育士は、近年問題となっている少子化や待機児童問題の解決をはかるためには不可欠な存在と言えるでしょう。ここでは、保育士のなり方や仕事内容などについて紹介します。
保育士の仕事内容
保育士の主な就業場所は保育園です。保育園以外にも、児童養護施設や知的障碍児施設、母子生活支援施設などの職場が存在します。これらの施設において、0歳から6歳までの未就学児の保育を行います。
朝から子供たちを受け入れして、個々の遊びの相手をしながら、全員登園したら年齢ごとにグループ分けし、外遊びやプールなどの季節に合わせた遊びをします。昼食は、アレルギーのある子どもがアレルゲンを口に入れないように、必要に応じて食事を補助することもあります。食後は午睡のために着替えの介助をしながら子どもに異変が無いか確認しながら、連絡ノートの記帳をするのも、保育士の役目です。起床後は、子供におやつを与えたり、保護者の引き渡しまで一緒に遊んだりします。以上が、一般的な保育士の1日です。
また、1日に数回検温をして、熱発があれば保護者へ迎えを要請したり、医療機関に指示を仰いだりします。複数の子どもたちの様子を把握するため、保育士同士の連携が重要です。
保育士の給料
保育士のお給料は、公務員として公立の保育園に勤務するか、私立の保育園などによって変わってきます。とりわけ、年収は200万~300万円台が多く、子どもたちの命を預かる職業としては責任の重さに見合っているとは言い難いでしょう。業務の内容からすると給料はあまり高くなく、待遇面の改善は見られますが、保育士のやりがいに頼っているところは否めません。
とは言え、近年は保育士不足から引き起こされる保育園の閉園や待機児童問題が深刻です。そんな中、保育士の育成や確保に注力をして、これらの問題解決をはかる自治体も増えています。その甲斐もあってか、都内を中心に保育士の給与や待遇が改善されつつあるのは、よい傾向と言えるでしょう。保育士を目指す際は、自治体や保育園ごとの待遇を見極め、自分に最適な求人を探すようにしてください。
保育士のなり方
保育士になるには、国家資格である保育士資格が必要です。この資格取得には、以下の2つの方法があります。
- 大学、短期大学、専門学校など厚生労働大臣が指定する「保育士を要請する学校その他の施設」で必要な科目を履修する。
- 保育士国家試験を受ける
保育士国家試験は、上記の学校を卒業しているか在学中に受験が可能で、中高卒の場合一定時間以上、児童福祉施設での経験が必要です。年に2回実施され、筆記試験と実技試験があります。筆記試験は8科目を合格する必要がありますが、一度に合格する必要はなく複数回に分けて試験を受けることが可能です。
実技試験は筆記試験を全科目合格後、受験可能で課題曲を楽器で演奏しながら歌うなどの試験があります。合格率は25%とそれほど高くありません。理由は主婦や別の仕事についていた人が通信教材や市販のテキストを独学して試験を受けるケースが多く、筆記試験の科目数の多さとも関連しているためと考えられます。