増えつつある社内SEという仕事
SE(システムエンジニア)とは、業務上必要となるシステムやWebコンテンツなどを設計し、そのためのプログラム作成を指揮していくという仕事のことを言います。
国内でITバブルが起こった頃には、それまで紙面で管理していた書類をペーパレスでできるようにするシステムを導入したり、世間全体で広くネットワークを使用できるようにするインフラ整備が急激に行われていたので、多くのSEが開発作業のために従事していました。
しかしITバブルも一旦落ち着き、新たに開発が必要になる業務需要が減ったことから世間全体でのSEの需要は以前ほど高いものではなくなりました。
その反面でそれまでは完全に外注任せにしてきた社内のシステム管理を自社内で行えるようにと、IT企業以外でも直接優秀なSEを採用するという動きも見られています。
これが「社内SE」と言われる仕事です。
パソコンやスマートフォンが一般向けに普及したとはいえ、全ての人が機器について詳しい知識を備えているわけではありません。
社内SEはそうした実際の業務に使用する機器やシステムを管理して不具合が起こったときにはすぐにその対応にあたることができるようにしておくことが仕事になります。
社内SEの仕事と就業のための条件
社内SEとして仕事をしていくためには、まず自分一人でも内部のシステムをきちんと把握して問題解決をすることができる能力が求められます。
実際のシステム開発をするときには、外部のSEやプログラマとともに設計や運営のための構築作業を行うのですが、完成品が納品され運用されたあとは基本的に社内SEが責任をもって管理にあたることになります。
ですので学校を出たばかりや未経験の志望者がいきなり社内SEとして採用されることは少なく、大抵の場合はすでに別の企業や組織でシステム開発に携わった経験がある人を中途採用します。
IT系の企業の場合にはまた様子が異なるでしょうが、本業がIT系ではない別事業の場合には採用される社内SEの人数は大変少なく、場合によっては1人だけということもあります。
社内SEとして働く場合には、コンピュータやプログラミングの知識だけがあればよいというわけではありません。
業務用に使用するシステムの場合、すでに別の企業が開発してあるパッケージソフトをそのまま使用すればそれでよいというわけではありません。
それぞれの会社にはそれぞれの作業工程があるので、そうした事業内容を意識したシステムを構築していかなければいけません。
ですので社内SEは就業する業界や社内の工程をしっかりと理解したうえで、その場所にとって最も使いやすいシステムとはどういうものかということを考えていく必要があります。